ステージ3B

2016年にS状結腸癌と診断されたCOONIの闘病中に思ったこと&たまにお仕事や趣味や愛犬のお話しブログです。

たぶんつらくなること。

やらないで後悔するよりも

やってみてればたとえ失敗したとしても反省できる。

だからやっちゃおう。

何事に対してもこうありたいなとはずっと思っていた。

 

でもこれってかなり自分事。

自分の気持ちの中で納得できることがいちばん。

そんな考え方だとも思ってもいた。

 

 

S状結腸癌の切除手術のあと、

主治医から選択肢を与えられた。

 

 

切除した患部の組織は生研にまわされたのだけど、

この生研で転移のあるなしもある程度わかるらしかった。

そしてぼくのカラダには転移の兆候があった。

 

主治医から

「なければいいんだけどね〜」

といわれていたリンパ節に癌細胞は乗っていた。

癌初心者のぼくにはわかりにくかったのだけど、

よくないことだった。

 

癌細胞はリンパ節を通って

身体中どこへでも行けるということだった。

転移しちゃう可能性大。

 

そこでテレビなどでよく聞く癌のステージが発表された。

4になるとだいたい末期で死んじゃうかもっていうあれ。

 

 

ぼくはステージ3bだった。

 

 

5年生存率は当時60%くらいだったと思う。

死んじゃうかもしれない確率4割。

半分以下の可能性だけど、

イチローの打率より高い。

 

 

ひとりになったときボロボロ涙が出た。

 

 

ただぼくの場合その時点でリンパには乗っていたけれど

転移先は見つかっていなかった。

まだどう転ぶかわからない。

そのまま消えちゃうことだってなくはないはずだった。

 

 

そこで選択肢が与えられた。

 

 

抗がん剤やる?やらない?

 

 

最初の癌の告知のときも思ったのだけど、

いまのお医者さんはあっさり言う。

 

昔見たテレビなんかでは癌の告知ってとても慎重で、

本人には内緒(胃潰瘍ですよとかって誤魔化して)で

家族を呼んでこっそり話したりしていたものだけど、

いまはなにかわかったらすぐ本人に告げる。

 

聞いた本人がひとりで聞いちゃっていいんですか?

って思うほどあっさりはっきりと告げられる。

 

 

けっこうヘビーだ。

 

 

で、抗がん剤なのだけど、

これについてもはっきり教えてくれる。

 

 

全然効かないこともあるし、

もしかしたら効くかもしれないよ。

いい細胞も癌細胞も一緒に攻撃しちゃうから、

副作用もあるよ。

 

 

やる?やらない?

どっちでもいいよ。

 

 

また切れるところにできちゃったら切ってあげるけどね。

というとても優秀な外科医の主治医から与えられた選択肢。

 

副作用はたぶんすごくきついものになるだろう。

辛い思いをしても治らないかもしれない。

それでも抗がん剤治療をすれば、

もしかしたらリンパ節を移動中の癌細胞をやっつけられる

かもしれない。

 

 

悩ましいじゃないか。

 

 

だけど治るかもしれない。

というか治る可能性がある。

 

 

これを聞かされてしまっては

やらないわけにはいかない。

やってみなければわからないのだから、

やらずに逃げるわけにはいかないと思った。

 

ぼく自身もそうなのだけど、

可能性を提示されてそれをしなかったら、

残された家族が後悔することになる。

4割の可能性があるからね。

 

 

無理にでも抗がん剤治療を受けさせればよかった。

 

 

家族にそんな後悔はさせたくなかった。

 

 

 

 

そしてつらく長い治療は始まった。