止まらない腹痛と正露丸 のつづき
ぼくの腸内の画像を見ていたら現れたゴワゴワしたもの。
「癌ですね」
技師さんにあっさり言われた。
(大腸カメラの技師さんはお医者さんなのかな?)
癌の告知って家族呼んだり
こころの準備してからだと思っていたので
ちょっとビックリした。
ちょっとビックリしたけど、
あんまり現実味もなくて、
へ〜そうなんだ。
という感じだった。たぶん。
ぼくの腸内にはっきりくっきり癌を発見した技師さんは
「すぐに大きな病院に行ってください。紹介状書きますから」と、
だいぶ真剣な表情でぼくに告げた。
ぼくもちょっとだけ大ごとになってきたことを感じ始めた。
正露丸、効かないわけだ。
そして受け取った大きめな封筒を持って
紹介された大学病院に行ってみた。
大腸カメラの技師さんの表情や態度から、
けっこうな緊急事態で
即入院、即手術になるのかな?
などと思っていたのだけれど、
そこから約一ヶ月間は全身の検査だった。
毎週大学病院に通い、
胃カメラやCTやなんやかや。
意外とのんびりしたスケジュールだった。
癌ってそんなに急には成長しないらしい。
思いがけない闘病生活はこんな感じに始まったのでした。